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# −偽善と非妥協性−その1
 この2月に、久しぶりにエージェント・オレンジ論争に関して質の高い、骨のある論文におめにかかりました。知人から送られてきた論文を邦訳し終わりましたのて掲載します。

但し、論文全文の掲載はせずに、半分ほどに縮小させてもらいます。また著者が提示している引用資料の典拠も一部を除いてほぼ省かせてもらいます。その理由は、ここには書きません。

改行は、著者の論文とは別に、ブログを読みやすくするために小生の意思で行いました。3〜4回にわたって、連続して掲載します。

+++

偽善と非妥協性−
エージェント・オレンジ論争を支えるもの

環境科学者ウェイン・ドゥワーニチュク博士 著
ブリティッシュ・コロンビア
カナダ

1961年から1971年まで、7700万リットル以上の除草剤が、『ランチハンド作戦』というコード名のもとで、アメリカ軍によって南ベトナム領土に撒布された。

ベトナムは、その作戦中に早くから、人間の健康が枯葉剤の広範囲にわたる撒布により悪影響を受けていると、報告した。エージェント・ オレンジ2,4-Dと2,4,5-Tの1対1の混合で作ったもので、使用した除草剤では最も一般に流行しているものだった。
(http://www.agentorangerecord.com/home/ and
http://en.wikipedia.org/wiki/Agent_Orange).

アメリカ政府は、エージェント・オレンジ剤使用がベトナムにおける先天性欠損症の増加や、人体の他の健康障害と関連しているという明確な科学的証拠がないと、数十年来、呪文のように唱えてきた。アメリカ政府高官は、アメリカが撒布した除草剤を決定的に人間の健康的影響に関連づけるために、主として責任/補償問題の観点からみて、ベトナムの種々の研究や観察を受け入れることを渋っている。

アメリカ復員軍人省(DVA)は、ベトナムでの従軍中に、エージェント・オレンジへの曝露に起因したかもしれない健康状態に対して、アメリカのベトナム退役軍人に現在補償し
ている。

少なくとも補償が払われる健康状態一つは、遺伝子の構成要素可能性があるつまり、脊椎披裂だ。米国がエージェント・オレンジに曝露したベトナムの市民の健康問題を無視する一方で、除草剤への曝露に関連したいくつかの病気に対して、ベトナム退役兵に補償支払うことは相反するように見えるその疾病は、米国医学研究所(IOM)がエージェント・オレンジへの曝露に関連があると『思われる』分類し、その後退役兵の補償目的のためにアメリカ復員軍人省(DVAによって
採択した疾病なのである。

補償は以下の場合退役軍人に与えられると理解する。 1) 男性であれ、女性であれ、ベトナム戦争中にアメリカ軍に所属していたと証明出来る場合  2)ベトナム戦争中にベトナムにいたことを証明することができ場合  3) ベトナムでの軍務の後補償対象となる病気の発症を証明出来る人 4)軍隊から名誉除隊を受けた者


エージェント・オレンジ(すなわち、TCDD)への曝露関連の疾病で、米国医学研究所(IOM)が定めたカテゴリーと、曝露に関係がある病気の発症の『推定された見込み』は、世界中の多数の研究を総合したものに帰結するという点に留意する必要がある。米国の政策は、 『原因と結果の証明』に基づくものではなく、曝露と疾病の連想の推定』に基づいている連想に関する結論は、ダイオキシンまたは除草剤への曝露(例えば、農場労働者、林業労働者、化学工場の労働者)に関連する毒物学と疫学研究を含む調査研究の論文・文献に基づいて引き出された。数少ない総合的、組織的疫学研究の一つであるランチ・ハンド研究は、米国医学研究所(IOM)評価に含まれた。ランチハンド研究は、ベトナム戦争中に使ったエージェント・オレンジと他の軍事用除草剤への曝露と関連しているかもしれないアメリカのベトナム退役兵に生じた負の健康影響の頻度と性質を評価するためにアメリカ空軍が行った疫学的調査
だった。

アメリカ復員軍人省(DVA)は補償に関する条件に『推定的曝露』に同意している。つまり、ベトナム領土で地上軍であったなら、おそらくエージェント・オレンジに曝露していたであろうという推定的曝露に同意しているのである。そして、上記の四条件に従い、疾病がアメリカ復員軍人省(DVA)が承認した補償リストにあるものなら、補償保証されるのだ。 この取り組みは、事実、曝露と健康結果の間にありうる関係(補償目的のために)が存在していると効果的に認め
るものである。

 しかし、この『関係』がアメリカ復員軍人省(DVA)の観点でアメリカのベトナム退役兵のために適用されるならエージェント・オレンジへの曝露符合する同じ疾病発症をみせるベトナムの人々のために、なぜ適用されないのか、と私は尋ねたい。アメリカは、この質問に
明らかに答えて来なかったし、答えようともしていないし、断固不動の姿勢で、アメリカの退役兵士よりベトナムの人々にとってより強力な判定基準、つまり、ベトナムにおける曝露と健康結果の因果関係は証明されていないと呪文を唱え続けている。

2002年3月10日、ハノイで、アメリカとベトナムは、覚書MOUに署名した。それは、エージェント・オレンジの環境結果に対応しつつ、総合的な人間の健康調査の概要をまとめたものだった。MOUの環境的側面は牽引を得て、価値ある情報の収集ができたが、人間の健康面の調査については、覚書に関する論争と意見の相違で泥まみれになり結局崩壊した。従って、ベトナムという戦争対立の舞台における除草剤の人体への健康結果を、協力して調査するいかなる試みも終了し
てしまった。

しかし、エージェント・オレンジとその構成要素についての既知の結果誰が何をいつ知っていたか、という進行中の議論の中で、このことがどういう役目を果たしてきたのか? 動物実験における先天性欠損症をエージェント・オレンジの構成要素の1である2,4,5-T曝露に関連付けるデータと、その後1970/71における2,4,5-Tの中のダイオキシンに関連付けるデータがまさに、ランチ・ハンド計画の強制的な中止に尽力した。エージェント・オレンジを製造してい化学会社は、アメリカ軍と同一歩調をとって、除草剤への曝露の結果、人体への健康結果の潜在的可能性があるという点に関して、無視の態度
をとった。

しかし、ダウ・ケミカルの
生化学調査研究所V. K.ロー氏は1965624日付けの『秘密』メモの中で、こう述べている。


「よくご存知のように、我々は不純物、つまり2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシン(TCDD)という不純物の入った2,4,5-Tの汚染のため、研究中の植物深刻な状況にあった。この物質は、例外的有毒物質である。(以下略)


(次回につづく)

                        愛のベトナム支援隊・ 北村 元
               Love & Support Vietnam
           <本ブログの無断転載・複製を固く禁じます>

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